西早稲田 旬香真彩 創作上海料理 千夢華
先週末「旬香真彩 創作上海料理 千夢華」に行ってきましたよ。
何を食べるか迷ったんですけど、色々食べられるコースにしました。
コースのメニューはこんな感じ。
- 食前美酒
- 四種小菜
- 小龍包
- 肉シュウマイ
- 海老とキノコのチリソース
- 北京ダッククレープ包み
- 魚と彩り野菜の黒酢炒め
- カニ玉入り上海式ハンバーグ土鍋
- 台湾タンタン麺 or そぼろ丼
- 本日のデザート(杏仁豆腐とマンゴープリンでした)
先週末「旬香真彩 創作上海料理 千夢華」に行ってきましたよ。
何を食べるか迷ったんですけど、色々食べられるコースにしました。
コースのメニューはこんな感じ。
この本の不条理な世界観に気圧されて感想を書くのを躊躇っていたんですが、ちょっと前にやると言ったことを早速止めてしまうのはいかがなものかと考えたので書いてみます。
遠藤徹のデビュー作「姉飼」があまり好きになれなかったので知らなかったんですけど、この「壊れた少女を拾ったので」は2005年に「弁頭屋」というタイトルの単行本で発売されていました。
そして、この「壊れた少女を拾ったので」は2007年の文庫本。
本屋で見かけたときはあまり期待せずに買いました。
元表題作。
戦争が起きている日本で、田舎の大学に通う主人公。戦争の実感はないらしい。そんな舞台。
大学に弁当屋が弁当を売りにきて、その中の2人姉妹が可愛くて、奥手な主人公は仲良くなりたいけど奥手なのでモヤモヤ。
主人公のことを同類だと思っている遊び人の友人が「誘ったから4人でデートしようぜ!」とか言ってくる。
正直、ストーリーはどうでもいいですw
重要なのは世界観というか、少しだけおかしい日常(自衛隊が戦争をしかけた)と狂った日常風景。
この姉妹の弁当屋のが売っている弁当は弁当箱に入っているんですが、その弁当箱は人間の頭。
どうも死体の脳を取り除いて作っているようです。だから弁頭屋なんですね。
他の弁当屋の描写はほとんどありませんが、登場人物たちは人間の頭の弁当箱を当たり前だと認識しているので普通のことなんでしょう。
デートした後、友人は姉妹に殺されて弁当箱になってしまうんですが、主人公がそれを買って普通に食べていることからもそう考えられます。
何と言うか、異常な光景を日常として書く簡単なテクニックみたいな感じ。
「この世界では~」とか「弁当は人間の頭に入っている」とか説明を一切書かずに、あくまでも弁当箱だと扱うことで異常を溶け込ませている。
よく見る書き方ですが、狂いっぷりが予想外だったのでちょっと戸惑いました。
一応、この異常な光景は劇中の日本だけ(?)のことのようです。
この姉妹はテロリストというか敵国の人間らしく、人を攫って弁当箱にしています。
しかし、主人公は姉妹の妹の方に惚れられてしまって、弁当箱になる直前に庇われます。
以下はそのときの会話。
「どうして、お姉ちゃん。この人だけはって」
「ばか、敵国人に惚れてんじゃねえよ」
「悪い人たちじゃないわ」
「悪いよ。悪魔だよ。友だちの頭に入った飯を平然と食うやつらだぞ」
まあ主人公はそのとき、首を鋸で挽かれながら今日は来て良かった、とか考えていたんですけどね。
最終的には脳だけ助かって犬にリサイクルされるわけですが。
読んだときは「ああ、だいぶブチ切れてるな」と思いましたが、全部読み終えたあとだと始めに持ってくるにはちょうどよかったのかもと思います。
これを読んだことで、何か異常な描写があっても「この作品はこういう世界観なんだ」とすんなり理解できるから。日常に紛れている明らかな異常性意外は普通の光景だからこそ。まあ、その普通もどこか変なんですけどw
「あいつらはおかしい」と認識している登場人物が読み手の理解を助けてくれることも。
人間の内臓を舐めたり噛んだりすることで快楽を得る人種の話。
「弁頭屋」と違って、こっちはわりと少数派。そして犯罪行為だと認識しています。
けど、主人公がこっち側の人間なので当たり前の光景に見えてしまう、という書き方。
この主人公たちは人を殺しているわけではなく、人の腹を割いて内臓をあれこれすることで快楽を得ています。
腹を割くのに素手だったり、割かれた人間はどうやって傷を閉じているのか、とか考えてはいけません。そういう世界として受け入れないと読んでられないから。
主人公は内臓を味わいたいと思っていて、更には共感者もいるのに、またしても奥手なタイプでなかなか手を出せません。
同じ嗜好の白衣を着たセクシーな先生とテニス部の女子同級生に何度も促され、誘われて、ようやく「聖餐」を行います。
こんな奥手なのに、子供の頃に結構酷いこともやっています。ムカデを同級生に飲ませるとは。
この物語は現在と思い出が同時進行して交差点もあります。ムカデのに至るまでは色々あるんですが、いくらなんでも酷すぎ。
世界観だけで持っているようなストーリーで、逮捕されたりもなく(事情聴取はあるけど)、ラストは同好の集会。
主人公が子供の頃にしたムカデのせいでちょっと酷いことになりますが、血と臓物で彩られたパーティーは続く、という描写で締め。
ストーリー展開に盛り上がる部分は特にないかと。
上に書いたように、世界観と内臓を味わう「聖餐」の描写を読む話だと思います。
エロティックとグロテスク、ほんのりサスペンス。そんな物語。
これだけだと面白そうなんですが、俺はあんまり楽しめませんでした。
これはもう……何と言ったらいいか。
炊飯器の子供を身ごもる妻と、ホットプレートと愛し合って子供を授かる主人公。
そして冷蔵庫と人生を共にする上司とランニングマシンと愛しあった上司の妻。
ポルナレフAAの「あ…ありのまま(略)」な感じになりましたw
例によって、どうやったら家電と人間の間に子供ができるのかとか考えてはいけません。
「壊れた少女を拾ったので」の中では一番面白かったです。
本当に説明しづらい内容なので多くは書けませんが、分かりやすいのを引用しておきます。
ベッドでのアンナはステキだった。
すべて想像していた通りだった。
一目あったときから、というより再会したときからというべきだろうけれど、アンナのセクシーさは際立っていた。ホットプレートというだけあって、なかなかに熱いボディだった。火傷しそうな肌だった。実際、拓郎の体にはいくつものキスマークが残されていた。傍目には火傷としか見えないけれど、それはアンナの激しさの証だった。
終始こんな感じですw
他には、炊飯器がホットプレートを犯そうとしてるのを見てマジギレするシーンとか。
表題作。
主人公は死んだペット捨て場で同様に捨てられていた「壊れた少女」を見つけて、家に持ち帰り修復する。
修復は自分の内臓を少女に移植していくことで行われる。
ストーリーは特にないです。
美しい少女を修復したら敬愛する「おねえさま」みたいで、鏡を見たら自分が「おねえさま」そっくりだった、とか。
思い出の中を「おねえさま」をいつの間にか主人公がやる立場に。
ループを思わせる終わり方。
グロテスクとマゾヒスティック全開な物語。
虐げられ、愛でられた、崇拝する「おねえさま」になった主人公の思いを考えると、発狂しそうになったのも理解できるような気がします。
そして「おねえさま」そっくりな主人公は思い出の中の「おねえさま」に身も心もなっていきます。
もともと「おねえさま」は存在せず、主人公のもう1つの人格じゃないか。
自分も元は「壊れた少女」で、「おねえさま」は自分を「おねえさま」にとっての「おねえさま」を再現して、それがループしているんじゃないか。
こんな感じでストーリーを色々に解釈して楽しむにはいいと思います。
修復シーンと回想シーンの奉仕精神から漂うマゾヒズムと残虐性の美が際立つ話でした。
桃色のカビに侵されてゆく世界。
そんな世界での様々な人間模様。
バイオホラーとかじゃなくて人間ドラマだと思いますが……この話に関しては特に書きません。こういう話は嫌いじゃないんですが、どうも感想を書く気にならないですね……。
異常なことを当たり前として書かれた世界、そんな世界を楽しむ本でした。
全体的にグロティシズムとマゾヒズムが描かれているので、かなり読む人を選ぶかと。
あと「こういうのはホラーとしてどうなのか」とも思いますが、角川ホラーが掲げる「広義のホラー」という定義は外していないと思います。
まあ実際には幻想小説なんでしょうけどね。
何となく山口椿の「少女残酷物語」が好きな人は好きそうだと思いました。
あれはいい本でしたよ。
そういえば「壊れた少女を拾ったので」「弁頭屋」のどちらも Amazon のレビューが上手くまとめてて分かりやすいですよ。
10年くらい使っていた swatch の Poisson Rouge がいよいよ動かなくなってきたので、新しく時計を買ってきました。
まあ、まったくメンテもしないで使ってきたから、仕方ないですね。
ガラスもボロボロだし、バンドも違うものになってるし。
オーバーホールすればまだ使えると思うけど……どうしようかな。
いくらなんでも捨てたりはしませんが。
とりあえず手元に置いといて、気が向いたらオーバーホールに出そう。
今までありがとう。
そういえば、もう売ってないんですね、Poisson Rouge。何だか感慨深いです。
高校生の頃に買ってから、風呂に入るときと寝るとき以外はずっと付けてたからなあ。
おかげで機械式時計の可愛さに気がつきましたよ。
音や秒針の進み方、ときどき時刻合わせしないとどんどんずれてくところとか。
今日買ってきたのはオリエントの ORIENT STAR Retrograde って時計です。
サイトは以下からどうぞ。
オリエント時計|ORIENT STAR Retrograde -レトログラード-
曜日表示にレトログラード機構が採用されてます。かわいい。
レトログラードってのは……
時間・分・秒・月・日・曜日などの表示を、針の扇状に動作によって表示する機能。決められた一定の時を経過すると、針が瞬時にスタート地点に戻り、再び表示を開始する。レトログラードとは「逆戻り」の意味。
実は、店で実物を見るまではセイコーの メカニカル SARC009 を買おうと思ってたんですよね。
店でも2つを並べて10分くらい悩んでましたw
正直なところ、見た目はセイコーの SARC009 の方が好き。
あの洗練されたデザインは素晴らしい。惚れそう。
それでもレトログラードが使われているという魅力に負けました。
セイコーもレトログラードの時計出してますが、手が届かないです。
というか、他のブランドのもそう。
セイコーは次に時計を買うことになったら第一候補。
そのときにはもっと金を持っているといいな。
帰ってきてケース開けたら、ゼンマイ巻かれてて、時刻合わせもされてました。
店員さんありがとう。
でも自分でもやってみたいから(手巻きもできる)竜頭を回してみました。
……ああ、いいなあ、この感じ。
とかニヤニヤしながらゼンマイ巻いたあと、写真を撮ってみました。
4番目のは一緒に買ってきた自動巻き上げ機の中に入れて撮りました。
いい時計だし、長く使いたいですね。
買ってきた「壊れた少女を拾ったので」。
全部読みましたが、気になることがあるので感想は後日に。
気になることというのは、タイトルにもある通り、「たてきない」という単語の意味。
表題作の「壊れた少女を拾ったので」という短編に頻出します。
初めて目にした言葉なので、とても混乱しました。
しかし日本語には違いない。文脈から推測すればいいと考えた結果、何となく感覚は分かった……と思います……。
けど、やっぱり気になる。
推測した意味は当たっているはずだけど、ちゃんとした意味を知りたい。
分からなければ調べるまで。図書館に行く時間はないからネットを活用することにしました。
その前に、どういう状況で出てくる単語なのか確認しておきます。
以下の引用文の強調はこちらで行ったものです。
最初に出てくるのが、夢の中に出てくるネバ虫どもがうっとおしいので殺虫剤を部屋中に撒き、自分の体も消毒するために殺虫剤を点眼した場面。
ああ、でもおねえさま、それは間違いでした。おねえさまのおっしゃる通りのうつけものでした。ほんとうに、たてきないです。夢を見るのは目ではないのですよね。
ここから頻繁に出てくるのですが、特徴的なものを挙げていきます。
無駄口ばかりたたいてしまって、ほんとうにたてきない。たてきなくてたてきなくて、ばかなわたくしです。どうぞお許しくださいましね、おねえさま。
下の「毒の水」は語り手にとっては憧れや尊敬の対象。
自分の声が、あのときの、きれいに済みきった毒の水を思い出させたのです。(中略)おねえさま、ごめんなさい。わたくしの声などにそんなたとえを持ち出すなんて、たてきないことでした。
「おねえさま」の問いかけへの返事が気に入ってもらえず、叱責を受ける場面。
すみません、すみません。たてきないことを申してすみません。
レンチを投げつけられて気を失い、頭を七針縫ったことを思い出す場面。
大した怪我ではありませんでした。たてきないわたくしが受ける罰としてはまだまだ軽いものだったといえるでしょう。
ネットで調べてみて、最初に出てきたのはこれ。
「たてきない」とは、どのような意味ですか? – Yahoo!知恵袋
質問者も俺と同じ状況で困って「情けない・至らない」という意味ではないかと考えたようです。
ちょっと俺の考えとは違いますが、そもそもWeb辞書にも載っていないので各々の考えが異なるのは仕方がないですね。
質問の回答は1つあったんですが……どうも違うような気が……。
考えや態度を最後まで押し通せないことだと思います。
またかかりきりになれないことだと思います。
「たてきる」の反対だと思います。
うーん、「たてきる」ってラ行五段活用だと思うんですよね。
仮に「たてきない」が「たて-きる」とした場合、「たてきる」の未然形は「たてきらない」になるはず。「たてきない」になるには「たて-着ない」でなければ変。
そこで考えてみた。
なら「たて-着ない」という言葉があるんじゃないか?
「たて」という言葉を調べた結果、当てはまりそうなのは「縦」と変換した場合の
[3] (比喩的に)同僚との関係ではなく、上司と部下との関係。
これくらいしかないです。
けど、これに「着る」を当てはめるのは無理がある気がします。
というか、これって動詞じゃなくて形容詞なんじゃ?
「たて-きる」じゃなくて「たてきない」という単語で「とんでもない」みたいなもの。
ちなみに Google で検索すると、以下の結果が出ました。
少ない。たった41件(2009-05-26時点)。そのうち関係のありそうなのは半分くらいですかね。
更にこの本に関連のなさそうなのをピックアップすると、片手で数えられるくらいになりました。
茶栗鼠の映画評論では、主に書き手に対する修飾語としてたびたび使われています。
(2ch化粧板)【パックなしでは】美肌一族 Part2【生きられない】の >>289 では「日本語でおk」みたいに言われていました。
……分からん。Googleブック検索もしてみたけど出てこない。
Yahoo! でも msn でも検索したけどダメでした。
ここまでの結果、行き着いた俺の考えは「もしかして方言なんじゃね?」でした。
仮に古語だったりしても、ここまで使われていないのは不思議だから。
でも方言にしても、もう少し検索にひっかかりそうなもんですけどなあ。
とりあえず、文脈からの予測に調べた結果を加味して
こういう意味なんじゃないかと判断しました。
Amazon のレビューや書籍レビューサイト、ブログでの感想などを見ても結構な割合でスルーされているところを見ると「実は一般的な言葉なんじゃ」という思いが湧いてきます。
でも先に書いたように、それならもうちょっと検索結果に出てもいいはず。
一応「どういう意味だろう」と書いている方は何名か見かけました。
それにしても気になって仕方ない……。
どなたか知っている方いましたら教えてください。お願いします。
角川ホラー文庫から出ている倉阪鬼一郎の「ひだり」レビューです。
この小説は「うしろ」「すきま」と同じシリーズ物。
と言っても直接のつながりがあるわけでもなく、この2作の登場人物(キム・イェニョンと聖域修復師の人)が脇役として出てくるのみ。
一応、2人とも過去作の記憶はあるようです。
困ったことに、この作品に関しては特に感想がないです……。
というか、このシリーズっていまいち面白さが分からないんですよねえ。
大雑把に言うと、超自然的な悪があって、神聖な場所が穢されて災いが起こる、というのがシリーズを通じての展開。
主人公はそれに巻き込まれる役。
今回は主人公死んじゃったけど。
ホラーとしては王道な展開かもしれないけど、何かもやもやする。
そういえば『ブランク―空白に棲むもの』を読んだときにも思ったような……。
こっちは一応ミステリですけど。
何か、最近の倉阪鬼一郎の作品に勢いが感じられないような気がする。
前からこんな感じだったっけなあ。
出てくるネタとかワードはいつも自分好みなんですけど、どうも盛り上がらない。
でも、いつかまた交響曲シリーズをやってくれるかも……と思うと、買い続けずにはいられない。
「The End」も「汝らその総ての悪を」も楽しめました。読んでてわくわくしましたよ、本当に。
倉阪鬼一郎のオススメ作品を訊かれたら、この2冊を薦めますね、間違いなく。
まあ「THE END」を友人に読ませたら「意味分かんね」とだけ言われたりしましたけどねw