Review › ひだり
角川ホラー文庫から出ている倉阪鬼一郎の「ひだり」レビューです。
この小説は「うしろ」「すきま」と同じシリーズ物。
と言っても直接のつながりがあるわけでもなく、この2作の登場人物(キム・イェニョンと聖域修復師の人)が脇役として出てくるのみ。
一応、2人とも過去作の記憶はあるようです。
困ったことに、この作品に関しては特に感想がないです……。
というか、このシリーズっていまいち面白さが分からないんですよねえ。
大雑把に言うと、超自然的な悪があって、神聖な場所が穢されて災いが起こる、というのがシリーズを通じての展開。
主人公はそれに巻き込まれる役。
今回は主人公死んじゃったけど。
ホラーとしては王道な展開かもしれないけど、何かもやもやする。
そういえば『ブランク―空白に棲むもの』を読んだときにも思ったような……。
こっちは一応ミステリですけど。
何か、最近の倉阪鬼一郎の作品に勢いが感じられないような気がする。
前からこんな感じだったっけなあ。
出てくるネタとかワードはいつも自分好みなんですけど、どうも盛り上がらない。
でも、いつかまた交響曲シリーズをやってくれるかも……と思うと、買い続けずにはいられない。
「The End」も「汝らその総ての悪を」も楽しめました。読んでてわくわくしましたよ、本当に。
倉阪鬼一郎のオススメ作品を訊かれたら、この2冊を薦めますね、間違いなく。
まあ「THE END」を友人に読ませたら「意味分かんね」とだけ言われたりしましたけどねw